作品解説
監督 デスティン・ダニエル・クレットン
脚本 デヴィッド・キャラハム デスティン・ダニエル・クレットン
原作 スティーブ・エングルハート ジム・スターリン 『シャン・チー』
公開 2021年9月3日
上映時間 132分
あらすじ
マーベル・スタジオの新時代の幕開けを担う、新たなヒーローが誕生。悪に染まった父から授かった最強の力を封印し、二度と戦わないと誓った優しすぎる男、シャン・チー。父が伝説の腕輪《テン・リングス》を操り世界を脅かす時、シャン・チーは自らの力を解放し、宿命の敵となった父に立ち向かえるのか?自らの運命に葛藤しながらも過去と向き合い、運命を受け入れ、“本当の強さ”に目覚めていくシャン・チーを描いたドラマチック・アクション・エンターテイメント。
filmarks映画より引用
キャスト
- ショーン / シャン・チー シム・リウ
- ケイティ オークワフィナ
- シャーリン メンガー・チャン
- イン・リー ファラ・チャン
- レーザー・フィスト フロリアン・ムンテアヌ
- シュー・ウェンウー トニー・レオン
感想 解説 見どころ
前回に引き続きMCU(マーベルシネマティックユニバース)作品、フェーズ4第2弾!
しかも今回はフェーズ4になって初めての新キャラ単体作品です!
MCU初のアジア系の主人公、シャン・チー初登場です!
演じるのは中国系カナダ人俳優シム・リウさん。
今まではドラマなどが中心の俳優さんで映画だとパシフィックリムのエキストラくらいしか出演作がありませんでしたが、なんと今作でMCUの主役に大抜擢!
公開前はそのビジュアルについて非常に批判があったそうです…
確かに各種原作コミック版とは全然似てないですね。
特に中国系スーパーヒーローという事もあって中国本国ではかなりのバッシングがあったようですねー
確かに若干地味かな?って感じですけど批判されるほどか?って感じですが。
ただ肉体派アクションヒーローなんで身体はもっとバキバキに絞って欲しいなとは思いますが。
一部では習〇平国家主席に似てるとか言われたりしていますね笑
中国政府からなんらかの力がマーベルに働いたのか…笑
まぁ色々公開前から物議をかもした本作ですが前情報0で映画館に観に行ってきました!
早速レビューしていきたいと思います!
記事後半ではネタバレを含むので未視聴の方はご注意を!
また父と子の話かーい!
本作のあらすじをざっくり。
サンフランシスコでホテルマンとして働く青年ショーン/シャン・チー。友達のケイティとその日暮らしの楽しい毎日を送るが特にこれと言った目標もない無為な日々を送る。
そんなある日突然、謎の武装集団に襲われる。
驚異的な身体能力でそれらを退けるが、母親の形見である緑の宝石をあしらったペンダントを奪われてしまいます。
同じペンダントを持つ妹の身を案じて妹がいるであろうマカオへケイティと共に旅立つ。
妹と再会した所、妹はマカオで地下格闘技を牛耳るボスになっていました。
心配する兄に対してなにや敵対的な妹。
そこにまた例の謎の武装集団が出現。
妹を巻き込み戦闘になります。
またもやショーンの力で撃退できましたが、なんとその武装集団のボスは実の父親でした。
父シュー・ウェンウーは1000年前から続く悪の武装集団テンリングスのボス。
実はショーンは父との確執から10年前に家から飛び出しており父はその行方を追っていたのです。
今回兄妹のペンダントを狙ったのは10年前に亡くなった妻イン・リーを蘇らせる為。
兄妹2人のペンダントが揃う時、幻の魔術の村であり母の故郷、ターローへの道が開けるのでした。
父が言うには、ターローには母が封印されており、助けを求める声が聞こえたとのこと。
その為武力を持ってターローに侵略するというのです。
しかしターローの村には古からの邪悪な魔物が封印されており先祖代々それらの封印を守っていました。
父が聞いた声も魔物からのいざないであり封印を解いてもらおうとしている為だと。
父の蛮行を阻止する為、ショーンは立ち上がります。
マーベルあるある、父と子の対立が本作でもって感じですね。
アイアンマン、マイティソー、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーなどでも取り上げられたテーマです。
正直またかよ!って思いましたね笑
どうしても親子対決が多いですねー。
直接対決はガーディアンズ・オブ・ギャラクシー以来でしたけどね。
あれはほんとにクズな父親でした。
本作では父シュー・ウェンウーが結構キャラとして魅力が高いんですよ。
なんなら主人公ショーンことシャンチーよりキャラが立ってる気がします笑
父は1000年以上も前から裏社会に君臨する超人。
魔術が宿る10の腕輪を操り強大なパワーと不老の力を持っています。
それらを使って暴虐の限りを尽くしていたのですが、母イン・リーと出会い改心。
家族とともに歳をとる為スーパーパワーを手放し幸せな家庭を築きました。
しかしそのパワーを失った事をきっかけに以前にトラブルにあった連中に家族を狙われ、妻を失ってしまいます。
再度闇堕ちしたかつての悪役が妻を求めて秘境へと向かうって主人公じゃん!
ダークヒーローっぽくてかっこいいじゃん!
しかもテンリングスってタイトルにある10の魔法の腕輪も本編のほとんどで父が使ってます。
この腕輪アクションがまたカッコいいんですよ!
親子対決なんかよりもっと父のカッコいい所を観たかったですね。
主人公、地味!
上記の通り主人公シャン・チー、地味!
俳優さんの問題だけではなく物語としても非常に地味!
正直言って魅力が全然ない!
気合が感じられないんですよね。
信念というか芯がない。
そもそも10年前に家を飛び出してからずっと楽な仕事をしてその日暮らし。
その間置いてきた妹の事はなにも考えなかったのか?
闇落ちした父親の事はなんとも思わなかったのか?
壮絶な過去があるっぽい割にはキャラが軽すぎる。
だいたい設定上、物語開始時点ですでにその戦闘力が備わっているっていう設定の為成長譚としての魅力がなさすぎる。
しかもその実力も他のMCUのキャラに比べて地味!
肉弾戦だけって…
この映画散々回想シーンが多いくせにシャンチーの覚醒なんかほとんど語られてないしその実力がどれほど強いかなどもほとんど語られていません。
ぶっちゃけて言うとジャッキーチェンと変わらん!
もっとスーパーヒーローっぽさが欲しかった…
ここから先はネタバレを含みます!
まさかのファンタジー路線
中盤で幻の魔術の村、ターローに辿り着いた主人公ショーン達。
いかにもなアジアンテイストの村には謎の幻獣が盛り沢山。
なんか狛犬っぽいバカでかい獅子や九尾の狐、麒麟、鳳凰など変な生き物がいっぱいです。
ファンタジーですねー。
終盤にはこのターローに父シュー・ウェンウーが襲ってきます。
健闘むなしく父の軍勢に押され気味。
ついには村の奥にある封印が破られてしまいます。
やはり封印されていたのは妻ではなく異次元の魔物。
異次元って所が今後のマルチバース構想に関わってきそうですね。
封印が解かれて魔物が解き放たれます。
妻が蘇らないと知った父は絶望しその力を息子シャンチーに託し息を引き取ります。
唐突に村の泉から現れた龍に乗りシャンチーは腕輪の力で異次元の魔物を倒します。
ビジュアルがまさかの神龍!
カンフーアクション映画かと思って観ていたらいつの間にかにモンスターアクションファンタジー映画になっていました笑
ていうか神龍出して腕輪の力で魔物を倒すってほとんどシャンチーの力じゃないんじゃないか?
神龍だって小さい頃に母親に「あなたの中には龍の力が眠っている」的なことを言われただけで特に説明はなし。
唐突に現れた力でなんとかした感が強くてカタルシスも糞もないですね。
映像的には凄かったですよ。
アジアンファンタジーってあんまり見ないジャンルですし新鮮味はありました。
ただ急展開過ぎていまいちでしたね。
とどめもまんまかめはめ波だし笑
正直前半の回想シーンが長すぎて後半が雑になった感が否めないですね。
しかも回想シーン自体微妙だったっていう。
本作は2時間を超える長尺の映画でしたがその割には中身が薄い気がしました。
父の話をあっさりにしてシャンチーの成長譚的側面をもっと押し出した方がMCU初単体作品としてよかったんじゃないかなと思います。
ケイティいる?
主人公の相棒としてケイティというキャラクターが登場します。
主人公ショーンの高校時代からの同級生でバークレイ大卒で学業優秀な女性です。
なぜか車の運転も得意っていうキャラもありますね。
ただこのキャラいるか?
主人公の相棒ポジなら女性じゃなくて男性の方がいいんじゃなかったかな?
女性だけど特に恋愛関係にもならなさそうな感じ。
ビジュアル的にも地味ですし。
コメディリリーフの相棒キャラならアントマンに出てくるルイスなんか良くできたキャラだったけど。
終盤では弓使いのキャラになってましたが、あんな軽く練習しただけで戦力になるとは思えないんですが…
なんとも造形不足なキャラでしたね。
ヒロインにもなれないようなキャラだったので今後どう関わっていくのか心配です。
なんか最近流行りの何でもかんでもとりあえず女性キャラ出しとけ的な流れを感じざるを得ませんね。
このキャラクターがもう少し魅力的であれば映画の評価ももっと変わったかもしれません。
他作品との絡みやポストクレジットシーンなど
本作ではほとんど他作品との絡みはないですね。
初めてMCUを観る人でも大丈夫なくらいです。
メインのテンリングス自体がアイアンマンと関わりが深いんですが所詮偽物だったので…
他のレビューなんかだと偽テンリングスのマンダリンを演じていたトレヴァー・スラッタリーが良かったとか書かれてましたが個人的には別にいらないキャラだったかな。
コメディリリーフはケイティ一人で十分かと。
なぜか地下闘技場でドクターストレンジに出ているベネディクト・ウォンが登場しましたね。
同じアジア系ってことで違和感なく出てましたね笑
なぜか闘技場でハルクに出ていたアボミネーションと戦ってました!
しかもどうやら声もちゃんとハルクの時と同じティム・ロスだったそうです笑
無駄に豪華ですね笑
なんだか仲良く戦っていた感じですが2人の関係は今の所不明です。
ドクターストレンジ2でなんかしら明かされるのかな?
ポストクレジットシーンではハルクことブルース・バナーとキャプテンマーベルが登場。
なにやらシャンチーの持つ10の腕輪を調べている様子。
どうやら1000年以上も前から存在するが未知の物質、テクノロジーで作られているらしい。
今後のアベンジャーズシリーズでインフィニティストーン的なポジションになるのかな?
魔術具っぽいのでドクターストレンジの続編に出てくるかも!?
まとめ
久しぶりのMCU単体初作品でした!
アクションなどの評判は良いみたいですが個人的には全然満足できなかったです!
もっと腕輪アクションが観たかった!
なんていうかシャンチーじゃなくて父親メインの話に感じる!
せっかく初単体作品なのに力に目覚めていく所とか挫折を乗り越える所が全然ないんですよね。
龍とかぽっと出過ぎてなんだよこれって感じ!
カンフーアクションが観たければほかの香港映画とか観るし…
MCUに求めてるのはそれじゃないんだよなー。
今の所戦力的にだいぶ弱そうなシャンチーですが今後アベンジャーズ入りしてどうなることやら…
今後の絡みに期待です!
超久しぶりのMCU初単体作品!
カンフー・中華任侠・ファンタジーの盛り合わせ!
ちょっとキャラ自体の掘り下げがいまいち。
今後の絡みに期待大!次回登場時はもっと腕輪を使って! 76点