作品情報
作者 田村由美
出版社 小学館
掲載紙 別冊少女コミック→月刊フラワーズ
巻数 全35巻+外伝1巻
狂四郎2030以来の漫画レビューです!
画ブログがほとんど映画ブログになっています…
映画も好きだけど漫画ももっと好きなので、どんどん紹介していきたいですね!
今作は普段あまり読まないジャンルである少女漫画です。
多方から非常にオススメされ、ずっと読もうと思っていてなかなか読む機会がなかったのですがついに読みました!
正直少女漫画は恋愛メインでイケメンだらけのあまり中身のないイメージだったのですが、そんな自分が恥ずかしくなるほど名作でした!(実際イケメンはいっぱい出るけど)
僕と同じように少女漫画だと思って食わず嫌いせず是非読んで頂きたい作品です!
あらすじ
「7SEED’S」とは政府のあるプロジェクトの名前である。学者らが「近い将来、巨大天体が降り地球は様々な災害に見舞われ、恐竜が滅亡した時と同じような状態になるであろう」と予測した。
Wikipediaより引用
人類の滅亡も危ぶまれるこの事態に、各国首脳らが極秘会議を重ねた結果、このプロジェクトが誕生した。それは若く健康な人間を選んで冷凍保存し、地球が災厄に襲われている間眠らせ続け、やがて人が住める状態になったとコンピューターが判断した時に自動解凍を行い放出するというものである。人類の種を災厄が過ぎ去った後の世界にも残そうという壮大な計画であった。
「7SEEDSプロジェクト」は国ごとに行われ、日本では7人ずつ5チーム「春・夏A・夏B・秋・冬」に分かれている。選ばれる基準は様々で、遺伝性の病気や早死にした者・犯罪者が身内にいないこと、本人の健康状態、生殖能力の有無、豊かで問題のない家庭に育った、容姿も麗しい、できればある分野に秀でている、などである。
それでも選びきれずに、最後の基準として、「名前に季語が含まれている」ことを加えた。
感想 解説
早速ですが、記事タイトルで近未来SFディストピアって言ってますがディストピアの定義とは異なっており思いっきり誤用で、正確にはポストアポカリプスものっていうらしいですね。
ディストピアだとジョージ・オーウェルの1984みたいな徹底した管理社会などが当てはまるようです。狂四郎2030とかもそうですね。
今作は人類滅亡後の日本が舞台で、コールドスリープにより生き延びた最後の人類の行く末を描いています。
大きな地殻変動により気候や地形が大きく変わり、そこに生きる生き物たちも様変わりしています。
もちろん文明機器などもほとんど残されていません。
少女漫画にしてはかなりハードな舞台設定ですが、絶望的になり過ぎず良いバランスでサバイバルしていきます。
ストーリーとしてメインの謎は、なぜ人類が滅亡したのか、この計画を考え実行したのは誰か、各登場人物の隠された過去です。
サバイバルや人間同士の対立を描きつつ、大きな謎が少しずつ明かされていく感じで読んでいて退屈しないですね!
特にこの漫画は登場人物がみんな魅力的で、どのキャラが好みかとか、どのキャラに感情移入するかなど楽しみ方がいっぱいです。
イケメンや美女ばっかり出てきますが、シリアスで、なかにはエグいシーンもあります。
しかし作者の田村由美先生の表現力で、この手の漫画にありがちなやたらグロくすればいいだろ的な描写はありません。
最近はグロとかに頼っただけの駄作終末ものが多いですが、7SEEDSはかなりレベルが高いです。
また科学的な考察もしっかりしており、異世界サバイバルもののなんちゃって科学理論なんかもないところが魅力ですね。
また、すれ違いの描写が非常にうまいです!
7SEEDSプロジェクトの参加者の花と嵐というカップルがいます。
お互い目覚めてから恋人はもうこの世にいないと絶望視するのですが、物語が進むにつれ、お互いが生きて現代に来ていることを知ります。
出会いそうでなかなか出会わない二人という、物語としてはオーソドックスなスタイルなのですが、じらし方が非常にうまく続きが気になってしょうがないです!
またこんな環境にも関わらず、二人は純愛を貫くところが見ててグッときますね!
中盤の花に起こった事件が未遂に終わってほんと良かったですよ!
他にもたくさん登場人物が出てくるのですが、どれも魅力的なキャラばかりで、群像劇なのですが、場面の移り変わりのたびにあっちはどうなったんだと気になりっぱなしです!
私は個人的には、蝉丸がイチオシキャラですね笑
一番イケメンだと思います笑
個人的に感じた今作のテーマとして、成長し適応していくという事が常々描かれていると思います。
それは過酷な環境に適応する事もそうですし、新しい人間関係に適応していく事もそうです。
登場人物はそれぞれ年齢も違いますし境遇も全然違うのですが最後まで読むと、しっかり全員、文明が崩壊した世界に適応していきます。
生きてる限りは変化の連続、適応していかなければなりません。
ポストアポカリプスの状況ではありますが、普段の現代の我々も同じですね。
若者たちの成長譚として非常に上質な物語です。
その後を描いた外伝について
ここから先は本編のネタバレを含むので未読の方はご注意!
本編終了時、誰もが思ったでしょう。
続きが見たいと…!
本編の終わりは非常に、さわやかに終わっており、読後感も良いんですがどうしてもこのキャラ達のその後が見たいと思いますよね?
見たいなーっと思っていたら、なんと外伝に本編終了直後から始まるその後が描かれてると知りました!
てっきり完結作品の外伝なので、過去編や本編で描かれてなかったスピンオフ的なものだと思っていたら、がっつり最終巻の続きです!
もはや真の最終巻と言っても過言ではないです!
あとがきで作者の田村由美先生が述べていましたが、
最終回を後日談だけにしたくなかったので、一旦、本編最終回で区切りをつけて、改めてその後の話は外伝で描くことにしたそうです。
作品の完成度だけでも十分なのに、ファンの為に、しっかりと単行本1冊分の後日談を描いてくれるなんて神ファンサービスですよ!
もちろん後日談だけではなく、あるキャラの家族の過去編まで入っています。
もう外伝として完璧ですね。
早速ネタバレ全開になってしまいますが、外伝の内容に触れていきましょう!
内容としては本編最終巻で、全員集合し、集落を築いて新しい生活を始めたメンバー達の日常を描いています。
それぞれ自身の能力と個性を生かし、助け合いながら暮らす、理想的な生活の中で本編では救いきれなかった安居と涼を救うような物語がメインストーリーですね。
本編でも、最後まで自身も他人も許せなかった安居が過去の過ちを認め、成長していく姿が描かれています。
実質本編の終盤は安居が主人公と言っても過言ではなかったですしね。
その辺の話にもしっかり蹴りをつけてます!
また過去の回想という形で、ちまきの父、キイチの話が入ります。
まさかのシェルターの目印として彫られていた仏像が、実はちまきのお父さんが彫ったものだったんですね!
本編ではあまりスポットが当たらず、謎の多い人物だったのですが、父親を通してルーツが描かれています。
ほんと7SEEDSは登場人物ほぼ全員を丁寧に描いており、贅沢な作品です!
最後のシーンについて
最後のシーンというか、外伝の最後のページの描写についてですが、
よく見ると、遠くに見えてる箱舟が開いており、コールドスリープされていた子供たちが無事、目覚めることができたと示唆してるシーンがあります。
主人公達が建てた石碑に苔がむしており、長い年月が経っているのではないでしょうか。
でもちゃんと救うことができたと示していますね。角又も自分の子供と会えてるといいのですが。
最後の1ページだけですが、箱舟についてもしっかり結末をつけていて、本編の終わりよりも個人的には好きな終わり方です。
というより、今まで読んできた漫画の中でもトップクラスですね。
やはり外伝こそが真の最終巻です!
非常に読者へのおもてなしの心が溢れまくりの名作!
面白いだけではなく、読了後の満足感がいっぱいです!
ハマったら一気に読んでしまう事間違いなしです
そして必ず外伝を読んでください! 92点
本作の作者、田村由美先生の作品でBASARAというのもあるんですが、そちらも文明崩壊後の日本が舞台で似通っているのかと思いきや、まさかの戦記物です!
そちらも面白いのでオススメです!