作品情報
監督 Quentin Jerome Tarantino
公開 2003年
上映時間 113分
あらすじ
妊娠を機に殺し屋稼業から足を洗ったザ・ブライドは結婚式のリハーサルの最中、属していた組織のボスであるビルとその配下である4人の殺し屋から襲撃を受ける。婚約者である夫と参列者たちが殺され、妊娠していた彼女も凄惨なリンチにより、4年間の昏睡状態に陥るほどの重傷を負わされ、胎内の子を奪われる。昏睡から目覚めたザ・ブライドは、ビルと4人の殺し屋への復讐に向けて動き始める。
Wikipediaより
キャスト
- ザ・ブライド ユマ・サーマン
- ビル デビット・キャラダイン
- エル・ドライバー ダリル・ハンナ
- オーレン・イシイ ルーシー・リュー
- ヴァニータ・グリーン ヴィヴィカ・A・フォックス
- 服部半蔵 千葉真一
- GOGO夕張 栗山千明
- 田中の親分 國村隼
感想・見どころ・解説
1本目に引き続きタランティーノ監督作品。
もしかしたら一番有名なタランティーノ作品ではないでしょうか?
私も一番最初に見た監督作品でとても衝撃的でタラちゃん映画にのめり込むきっかけになった作品です。
そんな知名度のとても高い作品ですが個人的にはタランティーノ監督作品の中でもトップクラスに人を選ぶものでもあり、あくの強さはタランティーノ作品では一番ではないかと思います。
グロすぎ!スプラッタ映画並みの血!人体欠損表現…
まず一つ目に見る人を選んでしまう要素としてそのグロさです。
出血シーンはアホみたいにピューピュー血が噴き出し、手や足はポンポンとれバンバン人が死んでいきます。
そもそも冒頭から血まみれのユマ・サーマンですからね笑
元々タランティーノ作品では暴力表現など過激な演出が多い監督ですが今作では特に血まみれの場面が多いです。
これは恐らくですがタランティーノが愛してやまない日本のヤクザ映画や時代劇、B級スプラッタ映画などのオマージュ的なものかと思います。
特に終盤でのクレイジー88との立ち回りのシーンなどは子連れ狼や座頭市の殺陣、またカンフー映画でよく見られたワイヤーアクションなどタランティーノが好きそうな要素がたっぷりです笑
この映画のオマージュ元など調べていく中で意外と昔の時代劇などスプラッタ要素多いなーと思いました。(勝新の座頭市とか若山富三郎の子連れ狼は特に)
栗山千明演じるGOGO夕張が死ぬシーンなんかも深作欣二監督のバトルロワイアルの大木の死亡シーンっぽい。頭に刺さっている感じが似てますね。
三池 崇史監督の殺し屋1なんかも地味にオマージュされていますね。(頭から縦に真っ二つに切断するシーン、口を横に切られ柿原組長のようになるシーン)
三池監督作品もタランティーノ監督作品からつながりを感じて興味を持ちました。
殺し屋1の記事はこちら!↓
三池監督作品つながりではホラーサスペンス映画「オーディション」で主演を務めた國村隼さんがオーレン・イシイに首をはねられる田中の親分が出演しています。(このシーンで使われた生首は國村さんが持ち帰り首供養したそうです笑)
地味にこのシーンで最近再婚した北村一輝さんも親分役で出演しているので探してみてください!
タランティーノ監督作品といえばこれ!センスあふれる音楽!
なんといってもタランティーノ作品の魅力の一つとしてセンスのいい音楽が今作でも大活躍です!
メインテーマの布袋寅泰さんの新・仁義なき戦いのテーマが有名ですが他にも作中で使われている曲もセンスが光りまくってます!
青葉屋でのシーンで使われるThe 5.6.7.8’sの「Woo Hoo」や女殺し屋エルがザ・ブライドを暗殺しにくシークエンスで使われた口笛の曲(密室の恐怖実験 からの引用 )、どストレートに原作ともいわれる修羅雪姫での梶芽衣子さんの「修羅の花」などジャンルに拘らず名曲ぞろいです。
オープニングで使われている「Bang Bang」なども印象的ですね。
パルプフィクションでも使われた時系列のシャッフル
パルプフィクションと違い主人公は一人ですが映画の中では時系列があえてばらしてあります。ただでさえあくが強く人によってはわかりずらい映画ですがテンポを損なわずむしろ退屈させない構成になっていると思います。
本作は2部構成ですが本来は1本の映画にするつもりだったのですが上映時間の関係で全編後編の2部構成になっています。
Vol.1では昏睡からの目覚め~ヴァニータ・グリーンことコッパー・ヘッドを倒した所までの時系列の話ですが一番最初の章は時系列では一番最後のコッパーヘッド戦からになります。
メインの話であるオーレン・イシイとの闘いは回想のような形で劇中振り返られることになります。
ビル達にリンチされ昏睡から目が覚めて千葉真一演じる服部半蔵の元でのエピソードなどが入り時系列が少し複雑になっているところがありますが基本的にはそこまで複雑ではないので安心してください。
映画愛が強すぎて把握しきれないほどのオマージュや小ネタ
上記でも少し触れましたが今作はタランティーノ作品の中でも特にオマージュや小ネタが多いです笑
相当な映画マニアでなければほとんど気が付くことができないでしょう。
私も色々な方の解説記事などを読んで初めて知る事がほとんどでした笑
分かりやすいものから言うと主人公の黄色いスーツはブルースリーの「死亡遊戯」からのオマージュですが、マニアックなものだと青葉屋の停電シーンでブルーバックに影だけが映るオシャレなシーンは日本映画「サムライフィクション」からのオマージュなど日本人でもあまり知らないような映画からも引用されています。
youtubeなどで元ネタ比較の動画などがアップされているので見てみると面白いです。
作品解説
作品解説ということですが特に複雑な考察が必要な映画ではありません。
むしろオマージュ元や小ネタをどれだけ見つけられるかということにつきます笑
シネフィルの方は散りばめられた小ネタを楽しみ、そうでない私のような一般者でもセンスあふれる映像と音楽で十分楽しい113分を過ごせます。
ちなみに本国アメリカでは残虐シーンをカットした全年齢版が公開されましたが、日本では残酷描写はそのままでR15指定で上映されました。
いつもおま国で日本では規制済みのコンテンツが多いですがキルビルは違います!笑
この映画が気に入ったなら色んな映画に興味を持つことになるでしょう。
元ネタを追っているうちに見たい映画リストが増えていくと思います!
Kill Bill Vol.2の記事はこちら↓
マニアックだがキャッチーな至極の一本! 90点
タランティーノ映画が合うか合わないかの試金石になる映画だと思います。
アニメパートがProduction.IG(GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊を制作)が担当しており実写だけではなく日本のアニメなどにも通じる奥深い作品でなんどみても楽しめます。
実はこの映画が好きで劇中に出てくるPussy wagonのキーホルダーを持っています笑
以外に誰も気づいてくれなくて悲しい…
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