一気にシリアスに!まさかの展開。半地下の更に下の家庭…
見事パク家に家族全員で寄生したキム家は、ご主人様たちがダソンの誕生日記念キャンプで家を留守にするという事で家で好き放題します。
高い酒を開けるしリビングを散らかしまくったり、のんびりお風呂に入ったりやりたい放題です笑
しかしそんな幸せな展開では終わりません…
パク家で豪遊しているギウたちの元に、キム家によって追い出された家政婦、ムングァンが突然やってきます。
現在家政婦として働いているキム家母、チュンスクが対応しますが、どうしても忘れものがあり入れてくださいというムングァンに根負けして家に入れてしまいます。
これが大きな間違いの元でした…
パク家のみんなは現在キャンプに行っており、この豪邸には留守番している家政婦のチュンスクしかいない事になっている為、他のキム家は急いで隠れます。
ムングァンは忘れ物を取りに地下倉庫へと入るのですが、なんと地下倉庫には秘密の扉があり、さらに地下室が続いていました!
そして忘れ物とはムングァンの夫、グンセだったのです!
グンセは借金取りに追われ住む場所が無くなった為、妻ムングァンが働く豪邸の地下で密かに生活していました。
ムングァンがパク家でよく二人分くらい食べる大食漢だと言われていた伏線が回収されます。
しかし急にムングァンがキム家の陰謀で追い出されてしまった為、外に出ることもできず、食事も摂れなくなった為かなり衰弱している様子。
ムングァンは夫を助けるためにパク家の豪邸に再び現れたのでした…
立場逆転!半地下の家族が地下の夫婦に…
グンセの存在が明るみになった為、ムングァンはチョンスクにどうか見逃して欲しいと懇願しますがチョンスクは許しません。
パク家に報告するぞと脅した所、後ろの階段から様子をうかがっていたキム家たちがバランスを崩して落ちてしまった為、チョンスクはじめキム家もこの家に寄生していることがムングァンにばれてしまったのです!(アホだなー笑)
これで一気に逆転、チョンスクとキム家の人達がパク家に勝手に居る事の証拠を写真に撮られて、逆にムングァン達に脅される立場になってしまいました…
一転、半地下どころか完全地下の住人以下の立場に…
同じ貧困層の中でも格差が生まれてしまいました。
タイトルの「パラサイト半地下の家族」はキム家だけではなく、むしろ住む場所まで寄生していたグンセたちでした…
なんとかグンセたちを地下室に閉じ込めたキム家でしたが、キャンプに行っているはずのパク家が帰ってきてしまいます…!
なんとかリビングに隠れるキム家…
ここでも家主より下に隠れるギテク達。やはり貧困層は富裕層の下におり、決して這い上がれない現実を表しているような描写ですね。
ここでも物語上、重要な会話があります。
それはギテクの臭い。家長であるドンイクが言うには、何とも言えない臭いニオイを発していると。
そしてまた運転手としてプライベートについての会話がたまにラインを超えそうになると妻に何気なく言っていました。息を潜めながら悔しい気持ちを耐えるギテク。
どこまでいっても富裕層と貧困層には分厚い壁があることを知ります。
そしてこの臭いとラインは後に重要な要素になります。
ただただみじめ。韓国の格差を映像で表現している象徴的なシーン。
パク家が寝静まった後、こっそりみじめに脱出をするキム家の面々。
大雨の中、高い台にあるパク家邸からひたすら下へ下へと降りていくシーンが続きます。
そして辿り着くキム家の半地下の家は浸水し、めちゃくちゃになっていました。
豪邸を持つ富裕層は高台に住んでおり、なにも影響を受けませんが貧困層の住む半地下の家などは、その上から流れてくる雨水により被害を受ける。
これも韓国の格差社会を上手く映像で表現している名シーンですね。
この映画では常に富裕層と貧困層ではある法則によって演出されています。
それは上下です。
富裕層はいつだって上にいて上り続ける存在。そして貧困層は常に下。それも転がり落ちる一方です。この法則は映画内で徹底されており、パク家は階段を上るシーンがほとんどですが、キム家やグンセ達は、ほとんど下ったり、下に位置する描写をされます。
言葉ではなく映像で表現したことで、目に見えない経済格差がより象徴的に演出されていますね。
浸水したキム家、それぞれの行動。
浸水したキム家ではそれぞれ印象的な行動をとります。
家長のギテクは浸水したリビングに飾ってある妻チュンスクがかつてハンマー投げの大会で貰ったメダルを取りに行きます。
長男ギウはミニョクからもらった印象的な石を。
そしてギジョンは半地下の為高い位置にあるトイレで屋根裏に隠したタバコを吸います。
チュンスクは居なかった為、描写はなかったですね。
ギウは自身の夢や希望、未来への展望の象徴として岩を選び、父ギテクは過去の栄光や妻への愛、そしてもっとも印象的なのはギジョンのタバコ。
他の二人とは違い、大切にしているものや執着するような希望はない、すでに自身の中にあるなどと考えさせるようなカットと解釈しました。
どこか達観したギジョンを現していると思います。
ギジョンだけが他の家族と違うと表しているシーンです。
これがのちのギジョンの結末を現しているのではないでしょうか。
個人的にはこのカットがこの映画で一番好きです
タバコの吸い方がいいですよね…
ロアナプラとかに居そう笑
物語は一気に進み、更なるサスペンスへ
大雨でダソンの誕生日キャンプができなかったパク家は盛大なホームパーティーを開きます。
まさにセレブたちが集う富裕層の場ですね。
本来キム家は参加する事ができないパーティーです。
主人公ギウもパク家の娘ダヘにあそこに混じっても違和感ないかな?と少し心配な様子。
そしてなぜかあの岩を手に…
そして父ギテクはパク家の主、ドンイクと共にサプライズでインディアンの仮装をしてダソンの元へ行こうととしていました。
ダソンは作中でもインディアンが好きだという事が示されてましたね。
ここでも何気ない会話の中、ドンイクにとってラインを超えた事をギテクが言ってしまい、今は勤務中扱いなのでその辺しっかりしてくださいと念を押されるシーンがありましたね。
ギテクはもちろんあの日の夜に超えてはいけないラインの話を知ったうえで夫人への愛を皮肉めいて言っています。それに対してドンイクはいら立ちを隠せない様子。
ギテクもこの時点ですでに精神的にも尊厳的にもギリギリだったのかもしれません…
しかしそんな華やかなパーティーを恐怖のどん底に叩き落すような出来事が起こります…
あの岩を持ち、決意を決めたギウが秘密の地下室へと向かいます。
グンセ達を殺そうとしたのか、それとも助けに行こうとしたのか異なる解釈ができますが、個人的にはとどめをさそうとしていたのだとおもいます。
ダヘと一緒にあのパーティーに加わる為、全てを清算しようとしたのでしょう。
しかし、岩をグンセに奪われてギウは逆に頭を強く打たれ気絶。
あんな勢いで頭2回も殴られてよく死ななかったな…
そして地下から解き放たれたグンセは華やかなパーティー会場へ、何かの糸が切れたように笑みを浮かべながら向かいます。
そしてギジョンを一突き。
ここでは上下のブレがなく横にスライドするようなカメラアングルです。
上下の動きがなく横の移動。本作では縦の構造が印象的でしたがこの場面では意図的にこのようなカメラワークになったのではないでしょうか…
最初はヨンギョを狙っていて間違えてギジョンを刺したのかと思いましたが、ドンイクへリスペクト!のセリフがあったので恐らく同じ貧困層のくせに華やかな場面にいるキム家を狙ったのでしょう。
それを見たダソンは気絶。
一瞬の出来事でした。
そしてギジョンは胸を刺され重傷を負っていますが、ドンイクはそんなことより恐怖で気絶しただけのダソンを優先して自車で病院に連れて行こうとします。
どう考えてもギジョンの方が重傷なのに…
そしてギテクは茫然自失のままドンイクに車のカギを渡せと言われ投げるのですが、チョンスクと揉み合っているグンセの元へ。
グンセはチョンスクに刺され車のカギの上に倒れ込んでしまいます。
ドンイクはそれを拾いに行こうとするのですがその際にある行動をとってしまいます。
それは映画では伝わらない臭いに反応し顔をしかめ鼻をつまんでしまいました。
長年地下生活を送っていたグンセは独特の臭いがしたのでしょう。
恐らくキム家にも同じような地下独特のかび臭いニオイが…
しかし非常時にまで貧困層を軽蔑するような仕草を見たギテクもこの瞬間、何かがキレてしまったようです。
包丁を取り流れるようにドンイクを刺すギテク。
本人も何が起こったか理解するまで間がありましたね。
恐らく自覚はないが、グンセに自己投影または仲間意識を持ってしまったのかもしれません。
娘を刺した張本人なのですが、それをも超えた怒りがあったのでしょう。
ここでも目に見えない壁として臭いが使われた印象的なシーンでした。
ラストはハッピーエンドなのかバッドエンドなのか?
パーティーでの事件後、父ギテクは逃亡、ギジョンは死んでしまいましたがギウは障害が残りつつも命を取り留められ、母チョンスクとともに身分偽装、不法侵入、傷害致死の罪として裁かれました。
逃亡したギテクがどこへ?
それはグンセが住んでいたパク家の地下室でした。
しかし今回は誰も助けてくれません。
彼は室内灯を使い、モールス信号で息子ギウ宛にメッセージを送ります。
ギウは偶然それを発見し父の現状を知りました。
しかし父を救う為には、あの豪邸を買い取らなければなりません。
それは途方もない夢のような話です。
ギウの収入では何百年とかかるそうです…
ギウはそんな夢を抱きつつ物語は終わります…
果たしてこれはハッピーエンドだったのでしょうか?
父ギテクは恐らく一生地下室から出れない生活になり、ギジョンは死にギウは障害を持ち母チョンスクと供に前科者に。
どう考えてもバッドエンドですね。
しかし見方を変えれば父ギテクは外界から閉ざされることで貧富の格差から解放されます。
普通に暮らしていれば一生貧者として蔑まれる身分でしたが、今ではその縛りから解き放たれた生活を送る事ができています。
なので本当にバッドエンドなのか、ハッピーエンドなのかは見た人に委ねられていると思います。
私個人としてはやはり父を救い出すと心に誓うギウは恐らく絶対にその願いを達成できないと思いますし、ギテクもいつまでも地下室で生き残るのは難しいだろうと思うので。
伏線や小ネタや考察
この映画はかなり細かい所までメタファーや小ネタ、伏線が含まれています。
まずこの映画で特に印象深いアイテムとしてミニョクからもらった岩です。
正確には山水景石と呼ばれるものです。学業運や金運が上がると言われています。
このアイテムを手に入れてからキム家はどんどんとパク家に寄生していき貧困層から這い上がろうとします。
しかし、後にその岩があだになったり色々な役割を果たし、単なるラッキーアイテムとは言えません。
これが何を意味するか考えると、儚い夢や希望なのではないでしょうか。
夢や希望を頼りに頑張っても貧困層ではそれがあだとなる。
そして手を離すことができないものとして主人公ギウは持ち続ける。
そして最後には自ら川に捨ててしまいます。
映画のラストシーンではお金持ちになり、あの家を買い取り父を救うという夢想をします。
しかしこの岩を捨ててしまった描写の後の為、恐らくギウ自身も叶わぬ夢と理解しているのでしょう。
もしかしたらギウの友人ミニョクが岩をキム家にあげなければ、こんな事になっていなかったと思います。というかミニョクが来なければ寄生もできませんでした。
劇中でほとんど語られないミニョクの登場シーンはほとんど最初だけですが、この作品を見終えてから考えるとかなり不思議で重要なキャラクターでした。
ミニョクは優秀で勇敢で顔も良く富裕層。それなのになぜか貧困層のギウの友達でした。
役割としては芥川龍之介の蜘蛛の糸に登場する仏のような存在に見えます。
チャンスを与えますが、欲張ると悲しい結末を引き起こす舞台装置のような存在です。
キム家にとって蜘蛛の糸のようなものはミニョクからの家庭教師斡旋と岩に象徴される上昇志向、夢、希望だったのではないでしょうか。
また作中でやたらと出てくるインディアン要素。
パク家のダソンがインディアンものにハマっているようですが、これも白人に領土を奪われ寄生された境遇をメタ的に表現しているように見えます。
しかし母ヨンギョはアメリカかぶれで皮肉が効いていますね笑
インディアンとアメリカ人の歴史的経緯に対する知識がないとも取れます。(エスターの父親並みにあアホだからね)
他には印象的なのはダソンの絵。
一見するとオラウータンかなにかのような怪物の絵を描いています。
しかし物語の後半を知ってから見ると怪物ではなくグンセに見えます。
恐らく偶然目にしてしまったグンセがトラウマになり絵に現れたのでしょう。
そして背景も晴天の中、テントがある所を見ると、後に起こるパーティーでの惨劇を予告するような絵にも見えます。
さらに絵関連では、この映画のポスター自体にも色々散りばめられています。
まず左下に横たわる人の足だけが映っています。
キム家とパク家以外の第三者が居てのっぴきならない事態になる事を示唆していたのでしょう。
また、奥には山水景石がチラ見えしています。
そして、富裕層であるパク家には白い目線、貧困層のキム家には黒い目線。
さらに、裸足のキム家と靴を履いているパク家という対比。
何気ないポスターにすらこんなに情報が入れられていたのが驚きですね!
以上が私の知る伏線や小ネタ、考察でした!
また改めて見返すことで他にも色々見つかるかもしれないので何度見ても楽しめますね!
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散りばめられた多くの伏線や目には見えない富裕層と貧困層の格差などを映画ならではの見事な演出で描いた名作!個人的には2020年ベスト映画ですね!
一度見た方もこの記事を見て見返してくれたら嬉しいです! 96点
あまり韓国映画を見た事がなかったのですが、邦画に比べてレベルがかなり高いですね…
国策としてメディアには力を入れている韓国ですが、日本も見習って邦画を何とかしてほしいですね…
日本でもこれくらいレベルの高い邦画がバンバン作られることを願います…
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