作品情報

作者 原作 平井和正 脚本 田畑由秋 作監 余湖裕輝 作画 泉谷あゆみ
出版社 秋田書店
掲載紙 ヤングチャンピオン
巻数 全12巻

あらすじ

市立博徳学園中学の美人教師・青鹿晶子は居酒屋から酔っ払って1人で帰ろうとしていたところ、1人の少年とぶつかる。酒の勢いで少年に絡む青鹿。しかし、そこに不良グループが現れ、少年を襲撃する。青鹿はショックで気絶するが、気が付けばグループは壊滅しており、少年の姿は消えていた。翌日学校に出勤すると、そこにあの少年が現れる。

Wikipediaより引用

感想 解説 考察など

今日は知る人ぞ知る隠れた名作、ウルフガイをご紹介します!

ネットでは胸糞漫画や過激な描写で有名な一作ですが、それ以外の漫画としてとても非常に面白いので是非読んでもらいたい作品です!

獣人、犬神明

本作の主人公、犬神明は所謂、狼人間、人狼です。
一般的なイメージである満月を見たら狼男になってしまうという事はないんですが、月の満ち欠けにより獣人としての力が変動します。

満月をピークにその獣人としての力は大きくなり、狼男の姿になる事もでき、人間の姿でも圧倒的な力と再生能力を持ちます。
銃で撃たれたりナイフで刺されたりえぐられたりしても次の日には余裕で治ったりします。

しかし月が全く見えなくなる新月だとその力は大きく損なわれ、普通の人間並みになってしまうという弱点もあります。

犬神明はトラブルに巻き込まれる体質らしく、中学生でありながら転校する先々で因縁をつけられ学校を転々としています。

どうやら狼男はそのようなトラブルに見舞われる運命らしいです。

本作の舞台である博徳学園に転校した初日から羽黒獰が率いる不良グループに目をつけられますが、人間離れした能力で手を出さずに絡んできた不良を倒します。

その後、不良グループからは壮絶な暴行を受けますが、全く堪える様子もなく、むしろ殴ったり痛めつけていた方が疲れてしまうという有様。

孤独を愛し他者との関りを持つこと嫌うような人物です。
まさに一匹狼タイプ。

中学生とは思えない極悪人、羽黒獰

犬神明も十分バケモノですが、今作の宿敵、羽黒獰もかなりのバケモノ中学生です。

そもそも中学生に全然見えない笑

暴力団の組長の息子という事で銃はもちろんミニガンまで持ち出す超不良笑

犬神明がただならぬ存在と認識してから犬神明に執着します。

彼自身も異常なまでの暴力性を持ち、手下でさえミスをすれば容赦なく指をもいだりする過激派。
物語の終盤には、ヒロインの女教師、青鹿晶子を誘拐してある事を行い、犬神明を誘い出します。

その辺がネットで有名になっている話ですね。

ここからはネタバレを含むのでご注意!

羽黒獰の卑劣な手段

物語の中盤、羽黒獰は人狼、犬神明の獣人としての正体を知り、生まれて初めて自分より強い男、本物のバケモノをと出会ってしまう事により、自身のアイデンティティーを失ってしまいます。

その失ったものを取り戻す為、羽黒は犬神明を殺そうとします。

しかし人狼、犬神明はどうあがいても倒せないバケモノでしたが、密かに犬神明が好意を寄せていた女教師、青鹿を人質にとり、遂に弱点を見つけました。

それは新月に人狼としての力を失う事でした。

更に犬神明を追い込む為、羽黒は手下に青鹿を犯させ、また薬漬けにし、その様子をネットで配信して世界中にばらまくと脅してきます。

普通の漫画だったら脅すだけでの事が多いのですが、この漫画では実際にやっちゃうんですよね…

なかなかヒロインにここまでひどい事する漫画はないですが…
デビルマンの美樹とどっこいです笑

この胸糞展開が有名の為、ネットではよくこの凌辱シーンのある第8巻がサジェストとして出てきちゃってます。

なぜ犬神明は人狼になれたのか?

物語の後半では、新月の為苦しい戦いを強いられる犬神明ですが、最後には人狼の力を取り戻し、羽黒を殺して打ち勝ちます。

その際なぜ人狼の力を取り戻せたのでしょうか?

作中の描写では大分抽象的でしたが、理由としては青鹿のおかげでしょう。

作中でも犬神明は新月でも月はそこに存在しているため、月の満ち欠けにより力が変動する点に疑問を持っています。

SFなんだからという事は置いといて、実際月の満ち欠けは地球の公転により太陽光の反射の仕方が変わるだけです。

そんな闇に覆われた月を光として照らしたのが青鹿でした。
彼女の愛のおかげ、彼女が犬神明を信じたその力で心の新月に光を当てて犬神明は人狼としての力を取り戻したのたのです。

ラストのオチはなんだったのか?

今作のラストでは死んだと思われた犬神明が謎の医療施設で目を覚ます所が描写され、続きがあるようなオチでした。

サブタイトルに狼の紋章とありますが、これは原作小説の第一作のタイトルです。
つまりラストのシーンは原作小説の第2部の冒頭でした。

2作目のタイトルは狼の怨歌といい、死んだと思われていた犬神明は実は生存していて、CIAにより回収され、その力の謎を解くためのモルモットとされ、その巨悪と戦うというストーリーです。

残念ながら狼の怨歌の漫画化の話はない為、漫画ではなく小説でしか読むことができません…

実はこの漫画はリメイク作品であり、原作は1970年に漫画として連載が始まり、その後原作者による小説として展開していきました。

今作では現代の日本を舞台にするにあたって内容が今風にアレンジされているそうです。
その際、大分暴力描写や過激な描写が盛り込まれたみたいです。

原作はこちら↓

評価
面白く話がまとまっている良作。
ただ惜しまれるのは第2部の漫画化の話がない事。
作画も迫力があるので次回作の発表を願う惜しい作品 75点