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【漫画】リン/RIN 異色のボクシング漫画第二弾 天才の苦悩と孤独。凡人には超えられない壁 感想解説など 97点

作品情報

作者 新井英樹
出版社 講談社
掲載紙 週刊ヤングマガジン
巻数 全4巻

あらすじ

前作『SUGAR』でプロボクサーとなった石川凛は、凄まじいまでの才能を見せつけ、世界王者の座を奪取した。しかし、世界戦直後の生放送TV番組の収録中に、世界ライト級王者である立石譲司を殴り、失神させてしまう。凛と譲司の因縁が始まり、ついにリング上で決着をつけることとなる。

Wikipediaより引用

感想 解説 考察など

前回の記事、SUGAR/シュガーの続編であるRINを紹介します!

前回の記事はこちら↓

新井英樹先生の他の作品はこちら↓

前回のシュガーではヤングマガジンアッパーズで連載していましたが、雑誌の廃刊に伴い終了。
続編として今回のRINが連載されるようになりました。

シュガーでは石川凛が天才として世に出るまでの物語でしたが、今作では世界チャンピオンになってからのお話です。

前作でも見られた不遜な態度が実力を世間に見せつけた事によりよりひどくなっています。

そんな凛が世界チャンピオンになってから同じく世界チャンピオンの立石とある事を切っ掛けに対立します。

どこまでも厚顔無恥 天才として完成された凛

前作から数年後、危なげなく余裕で世界チャンピオンになった凛は常に不満を抱えていました。

それは自身が天才すぎるが故に心が躍るような相手と出会えていない苦しみです。

どんな相手が出てきても一切手こずる事さえできない凛。

それによりフラストレーションが溜まっていました。
天才であるが故に相手に恵まれない。
世界チャンピオンの前世界チャンピオンでさえ反則に手を染めても凛には通じません。

それくらい凛と他者の間には深い実力差ができていました。

その為凛の不満と自尊心はどんどん肥大化していきます。

あまりの実力差により凛は自身の凄さを見せつける事さえできませんでした。

立石の登場 生まれる因縁

そんな中、凛はテレビ出演を切っ掛けに別な階級の同じ世界チャンピオンの立石と出会います。

立石は元極道でしたが足を洗い努力を重ね世界チャンピオンに上り詰めた苦労人。
言わば凛と真逆なキャラでした。

周りから見れば凛と立石は同じ世界チャンピオン。
しかしその才能の差は圧倒的に開いています。

しかし世間から見ればどちらも同じ世界チャンピオンの為同列に語られます。
しかも立石は生い立ちとその硬派なキャラクター、凛は周りを全て敵に回す言動の為、人気では圧倒的に立石の方が上でした。

立石に凛は俺とあんたじゃ全然格が違うよね?わかってるでしょ?とまたもやとんでもない発言をしてしまいます。
しかしそれほどまでに二人の才能の差は実際にあり、凛の言っている事は間違いないのです。

そんな立石に凛はテレビの生放送中に自身の試合の再現して解説している所で拳を当て気絶させてしまいます。

ぶつかる天才と努力家

この事態をきっかけに周りも巻き込み二人の試合が組まれることになります。
世間から見れば同じ世界チャンピオン同士の闘いの為、超ビッグカードとして宣伝されますがそれ自体凛からすれば不満だらけ。

やる意味がないと断固拒否します。

そこで立石はあえて手足を縛られた凛をリング外でボコボコにします。

試合を拒否していた凛もこういうやり方だとやる気が出るねと試合を受けます。

天才の孤独

凛は圧倒的過ぎる才能の為周りからほとんど理解されません。
またボクシングに真摯に向き合ってるため立石のような努力と元極道というキャラ付けを毛嫌いしています。

私生活では北海道からの幼馴染であった相馬千代に凛は思いを寄せていましたが天才として不遜な態度を取り続ける凛に愛想をつかし、ついに別な男性と付き合ってしまいます。

元々千代は凛の事が好きだったはずだと思いますが、ボクシングを始めてから凛が変わってしまい心が離れたのでしょう。

これによって凛はますますボクシング以外自身になくなってしまいました。

ボクシングが全てになってしまった凛はますます孤独に陥ります。

そんな凛を理解しうる人物は皮肉にも中尾しかいませんでした。
同じ天才で自分のボクシングに絶対的な自負がある中尾と凛はボクシングを除くとそれ以外無に等しい人生になっていたのです。

天才としての凛を理解できるだけの才能を持った立石

立石は極道から足を洗い努力を重ねてきたボクサーですが凛と比べれば圧倒的に才能の差があります。

しかし立石は凛との試合の中で凛の天才さを真に理解できたのです。

凄すぎる凛の才能は一般人には推し量れないものです。
その才能を理解するには理解できるほどの才能が必要でした。
立石はその理解できるレベルまで引き上げられたのでした。

凛にとって立石は自身を理解してくれる現役ボクサーという貴重な人物になりえたのです。

この天才を理解できるだけの才能を持ってしまった事は、凛にとっては幸運でしたが立石にとっては残酷な事実です。

どうあがいても敵わない圧倒的な才能を見せつけられてしまうのです。
しかしその有り余る才能の為ボクシング以外ない凛に対して同情を覚えます。

この続きは是非本作を見て頂きたい!

感想

前作ではその天才が世に出るまでのカタルシスを感じさせる内容でしたが、今作ではうって変わって理解されない天才の孤独という内容でした。

才能がない事は不幸ですが、有り余る才能を持ってしまう事もまた悲劇なんですね。

他のサイトさんでも述べられていたのですが、構図としてアマデウスモーツァルトサリエリのような関係ですね。

今作ではモーツァルト側の凛が主に悩むんですが。

またボクシング以外なにも拠り所がないという点ではレイジングブルジェイク・ラモッタのようでもあります。

余談ですが今作は実は打ち切りで、本当はもっと話が続く予定だったそうです。

その内容は凛に匹敵するほどの才能を持つボクサーに出会いお互いを理解した二人が恋愛関係になるというとんでもない展開だったそうです…笑

今作のラストでは海外で活躍する凛を示唆するシーンで終わりますが、非常に続きを見たい終わり方でしたね。

願わくは続編が作られますように。

あうあう

天才が故に孤独にさいなまれる苦悩を描いた名作!
ボクシング漫画でありながら哲学的な事も感じられる内容
圧倒的天才を見たい方にオススメの一作 97点

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あうあう
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