Yahoo映画より引用

作品解説

監督 マーティン・スコセッシ
脚本 ポール・シュレイダー マーディク・マーティン
原作 ジェイク・ラモッタ Raging Bull: My Story
公開 1981年2月14日
上映時間 129分

あらすじ

主人公ジェイク・ラモッタはプロデビュー以来無敗だったが、不当な判定負けを喫してしまい、マネージャーである弟のジョーイや妻に当たり散らし荒れていた。そんな時、たまたま出会った15歳の少女、ビッキーと出会い、妻も子もいるのに恋に走ってしまう。その後順調なキャリアを重ねていくが、反面自身の性格がゆえに私生活はどんどん荒れていき、大切なものが壊れ、破滅へと進んでいく…

キャスト

  • ジェイク・ラモッタ ロバート・デ・ニーロ
  • ジョーイ・ラモッタ ジョー・ペシ
  • ビッキー キャシー・モリアーティ
  • トミー ニコラス・コラサント
  • サルビー フランク・ヴィンセント

感想 解説 見どころ

今回はロバート・デ・ニーロとマーティン・スコセッシ監督がタッグを組んだ名作、レイジングブルを紹介したいと思います!

この二人は他にも色々な映画でタッグを組んでおり、有名な「タクシードライバー」「グッドフェローズ」「カジノ」、最近ではnetflixオリジナルの「アイリッシュマン」などがあげられます。

どれもこれも名作ですね!

上にあげた作品は見た事があったのですが、レイジングブルだけはなかなかタイミングが合わず見れておらず、最近やっと観る事ができました!

有名なデニーロアプローチなど様々な逸話のある面白い作品でしたので早速レビューしていきたいと思います!

怒れる猛牛、ジェイク・ラモッタの孤独。不器用過ぎる男。今では考えられてないDV夫。

本作の主人公ジェイク・ラモッタが現代の私から見るとかなり酷い男なんですよ。
普通に家族にも暴力振るうし、自分勝手で。
奥さんや弟にもボクサーのくせにグーパンだし。

ただ自分の事だけを考えて突き進むまさに怒れる猛牛(レイジングブル)。
ファイトスタイルだけではなく私生活でもそれじゃあ待っているのは破滅しかないですよね…

実際のジェイク・ラモッタは幼少期に父親から賭け拳闘の選手として半ば強制的に喧嘩に明け暮れた過去があり、自身の肉体を頼りに生きてきたというバックグラウンドの為、非常に生き方が暴力的、刹那的になったのではと思います。

かといって家族に愛がないわけではないんです。
ただその表現の仕方が間違っている所が不器用たる所以なんですね。
妻にも弟にも、本当は愛しているのにその方向性がずれている為どんどん彼の元から去ってしまいます。特に妻に対する嫉妬心は異常だがそれも愛情の裏返しかもしれません。

どんなにボクシングで成功をおさめても猜疑心、嫉妬心は治る事なくどんどん破滅していってしまう切なさを表現している映画です。

ボクサーとしてじゃないと生きられないような男。
ボクサーである事で自身のアイデンティティーを守る彼は見ていて男として惹かれるものはありますが…

1940年はまだこのような男性がいっぱいいたのかもしれません。
今見ると理解できない彼の生き方は、時代によって作られたものなのかもしれません。
現代ではこんな生き方絶対無理だろう…

ただ作中の八百長を受けてなお、ダウンする事だけは出来なかったその鼻っぱしの強さ、そして格下にわざと負けた事が悔しくて控室で声を上げて泣くシーンは何とも言えないグッとくるものがありますね。
唯一純粋なものとしてボクシングを胸に抱いていたが故に八百長する事がこんなにも辛い。
男の矜持と切なさをよく表現されてます。

そんな不器用な男の孤独さを上手く表現しているオープニングは非常に美しい。

©MGM Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

白黒の中、真っ赤な字で浮かび上がるタイトル。
映えますね…

映像的のも今作は非常にレベルの高い作品になっています。
中盤でのタイトル戦の入場カット。
これはなんとワンカットで控室から満員の観客がいるリングに上がるまでを撮っています!

©MGM Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

まるで当時の実況中継を観ているかのような没入感。
ハンディカムでの長回しによって撮っています。
スコセッシ監督らしい意欲的な映像表現ですね。
迫力が半端ないです…

安藤サクラさん主演の100円の恋のプロデビュー戦でもこの長回しがオマージュされていますので見比べてみると面白いかも。
まんま同じで面白いです笑
100円の恋を撮った武正晴監督自身、このレイジングブルの長回しを撮る事が出来ると喜んだそうです。

百円の恋の記事はこちら↓

ロバート・デ・ニーロの驚異の役作り!役者魂が光る…

今作で有名な逸話としてロバート・デ・ニーロの驚異的な役作りがよくあがります。
知識としては知っていたのですが、実際作品を見ると肉体的変化が凄いですね…

ストーリーとしては、現役を退きぶくぶくに太ったコメディアンのジェイクとバリバリ現役ボクサーだった時のジェイク、その二つの時間軸のジェイク・ラモッタをデニーロ一人で演じ分けるのですが、その肉体的落差が凄すぎる…

この若かりし日のジェイクと引退後のジェイクを演じるためにデニーロはなんと短期間で20㎏以上も増減させたそうです笑

100円の恋の時の安藤サクラさんも凄かったですがデニーロもやばいですね笑

しかもイタリア系だった本物のジェイクラモッタを模してイタリアンばっかり食って体重を増やしたそうです笑
この細かいこだわりがデニーロっぽい!笑

また、ただ太っただけではなく実際にボクシング自体も熱心にトレーニングをし、実際に試合までしたそうです笑
ジェイクラモッタから見てもプロになれるくらいの仕上がりっぷりだったようです…笑
確かに試合のシーンでのパンチは速かったっすね…

このような肉体的、技術的にストイックな役作りを行う手法をデニーロアプローチといい、それ自体が言葉にまでなっています笑

最近だとクリスチャン・ベイルなんかもめちゃめちゃストイックに役作りしてますよね。
これもデニーロアプローチですね。
マシニストのガリガリ体系からバッドマンビギンズのムキムキ筋肉質など幅広い役作りを行っています。
あと髪の毛抜きすぎ笑

役作りにおいてもフォロワーを生み出す名優デニーロですね。

そもそもなんで白黒映画?

今作は1981年公開の映画ですが、ほぼ全編にわたって白黒映画として作られています。
元々はカラー映画として作ろうとしていたのですが、カラーフィルムの褪色問題(経年劣化で色が失われてしまうのを嫌った)や、スコセッシ自身、マイケル・パウエルにグローブの赤色が絵を乱していると指摘され、それならいっそ白黒で撮っちゃおう!となったそうです。

また他にも舞台が1940年から始まる映画なので、その当時のメディアに合わせるためにも白黒にしたという狙いもあったそうです。

そのおかげでかなり重厚な画作りに成功しましたね。
白黒映画にするにあたって色々工夫したらしく、通常赤い血のりを白黒ではこっちの方が映えるからとチョコレートシロップを血のりの代わりにしたそうです。

日本の巨匠、黒澤明監督も七人の侍の雨の乱戦シーンを墨汁で撮ったりしてましたね。
通常の水による雨の表現より、墨汁の黒い雨の方が絵に迫力が出るとの理由で使われた手法です。

本作では出血などの表現が、白黒ならではのコントラストで印象的に使われているので特にこだわったのでしょう。

ラストシーンの解釈は?引用された聖書の一説や波止場のセリフなど

破天荒な男、ジェイク・ラモッタを綴った本作のラストでは印象的なシーンで締めくくられます。

舞台を控えた楽屋で鏡に向かい自身に語り掛けるジェイク。

これは映画、「波止場」のセリフ。ギャングの手下の兄のために、主人公である弟が八百長を受け入れてしまった為に落ちぶれてしまった事を嘆き兄を責めるセリフです。

そして俺はボスだと自身に言い聞かせシャドウボクシングを行うジェイク。

ラストには聖書からの引用が入りエンドロールへと向かいます。

新約聖書 ヨハネによる福音書 第9章 24-26より引用されたモノローグ。

あの方が罪人であるかどうか、私は知りません。ただ、一つのことだけ知っています。私は盲であったが、今は見えるということです。

この一節の後、エンドロールに入ります。

個人的にこれの解釈が非常に難しかったです…
映画「波止場」のセリフの引用は、自身を責めているのか、八百長の話を引き受けた実の弟ジョーイを責めているのか。

「波止場」ではギャングである兄のメンツを保つ為八百長を持ち掛けられ、そのせいでボクシングを諦めなければならなくなったという設定。

今作では弟がボクサーである兄のタイトルマッチの為八百長の話を持ってくる。

「波止場」のセリフでは八百長を持ち掛けた兄を責める弟のセリフ。
単純に考えれば、未だにかつてタイトルマッチの為とは言え格下の選手に八百長して負けた事を今でも心のしこりとして持っていてジョーイを責めてる説。

もう一方、その後の聖書の引用を踏まえて、過去の自身の過ちを客観視する事ができた、悪かったのは自分だと懺悔している説。

後者だと俺がボスだのセリフと若干矛盾するような気もする。

個人的には間をとって、過去の自身の振舞いを後悔しているが、過去に自身のプライドが八百長により傷つけられた事を未だに引きずっている、そしてそんなことを考えている自身の弱さを払拭しようと「俺はボスだ」と鼓舞しているっていうのが一番納得できるかな?

恥ずかしい過去に囚われつつもそんなことでくよくよする自分も恥ずかしい。
悲しいまでにそんな考え方や生き方しかできない男の孤独。
そんな複雑な感情があのシーンに含まれているのではないでしょうか?

色々な他の人の意見を見てみましたが、完璧な解釈は監督にしかわかりません。
他の人の解釈も三者三様で面白いです。多分もっとしっかり考察しているサイトの人の方が正しいと思います…

この余韻を残す終わり方がいいですね。

最後に

今回は名作中の名作でかなり有名な作品で、今更レビューする事もはばかれました。
でも名作ってどう感じたか共有する事も楽しいかなと思い書いちゃいました。
拙い考察で見苦しいかもしれませんがご容赦ください!

それからこの映画を調べているうちに知ったのですが、マーティン・スコセッシ監督って本作のジェイク・ラモッタ並みにぶっ飛んでますね…
暴力を振るえないことが耐えきれない、快楽を捨てられてないとの理由で牧師の道を諦めたり、今作を撮る前は前作の興行的失敗によりドラッグ中毒になってたり、4度も離婚してたりろくな人じゃないですね笑

まぁそんなところも自身に重ね合わせて贖罪の意味を込めたラストだったのかもしれませんね。

評価
ロバート・デ・ニーロとマーティン・スコセッシ監督の最強タッグで生まれた一作!
不器用で孤独な男の半生を白黒で重厚に美しく描いた名作。
男にしかわからないかもしれない破天荒な主人公の魅力たっぷり! 85点

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なお当記事は2020年1月13日の情報です。
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