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【映画】イングロリアス・バスターズ/Inglourious Basterds 歴史のIF! グロすぎ!? 緊張感抜群のシーンの連続! 解説 見どころ 微ネタバレあり 90点

Inglourious Basterds

作品情報

監督  Quentin Jerome Tarantino
公開 2009年
上映時間 153分

あらすじ

舞台は第二次世界大戦中のドイツ国防軍占領下のフランス。5章に分けて語られる物語の中心となるのは、ドイツ指導者の暗殺を企てる二人の主人公、一方はナチス親衛隊大佐(ヴァルツ)に家族を皆殺しにされたユダヤ系フランス人の女性映画館館主(ロラン)と、他方はユダヤ系アメリカ人からなる秘密部隊を率いるアメリカ陸軍中尉(ピット)であり、女の復讐劇と男たちの戦いは、ドイツのプロパガンダ映画が披露される夜に彼女の劇場が大炎上してクライマックスを迎える。

Wikipediaより

キャスト

  • アルド・レイン中尉 ブラッド・ピッド
  • ハンス・ランダSS大佐 クリストフ・ヴァルツ
  • ショシャナ・ドレフェス メラニー・ロラン
  • ドノヴィッツ イーライ・ロス
  • スティーグリッツ ティル・シュヴァイガー
  • ヴィルヘルム ギデオン・ヴィッキ
  • ヒコックス マイケル・ファスベンダー

感想・見どころ・解説

タランティーノ監督の戦争映画です!
今までの監督作品は現代を舞台にした映画でしたが今回は第二次世界大戦中のフランスでのナチスドイツと連合国軍の秘密部隊とナチス将校への復讐に燃えるユダヤ人の三つ巴の闘いを描いた異色作です。

舞台が現代を離れ第二次世界大戦中の作品ですが長回しよる会話劇や独特のカットワークによる演出など随所にタランティーノ節が見える一作でとても見ごたえがあります。(実際に上映時間が3時間近くあり見ごたえありまくり)

印象としてはこの作品から映画のテーマとしてポリティカルな要素が組み込まれ始めたように思います。良いか悪いかは置いといて。

張り詰めた緊張感。名優たちの繰り広げる極上の会話劇

タランティーノといえば長々と垂れ流される冗長とも思える会話劇が特徴ですが今作では非常に緊張感の溢れる会話劇が多いです。

まずはしょっぱなからクライマックス級の緊張感!

https://www.tomtom55.com/inglouriousbasterds14/より

ドイツ占領下のフランスの農家にナチスドイツのSS将校、ユダヤハンターことハンス・ランダ大佐が逃げたユダヤ人一家を追って調査しにくる場面から映画が始まります。

この冒頭のシークエンスが今作でも一番といってもいいほど秀逸です!
非常に物腰の柔らかい口調で流暢に複数の言語を使い分けるランダ大佐がおそらくユダヤ人を匿っていることをわかってながら尋問するシーン。

クリストフ・ヴァルツ演じるランダ大佐の演技は抜群でこのシーンのだけでも本作を見る価値があります!
この冒頭の20分弱くらいの流れで第二次世界大戦中のユダヤ人の扱い、ドイツ占領下にあるフランス国民の立場、ナチスドイツの恐ろしさ、そして何よりランダ大佐の異常さが一気に刷り込まれます。
特に秀逸なのは緊張と緩和の表現。

最初はフランス人の農夫も警戒心を持って接しているがランダ大佐のドイツ軍人らしからぬフランクな態度と形式的な調査であり疑いが晴れればもう来ることはないと話し当たり障りのない調査をし帰ろうかとする雰囲気を醸し出します。
しかし一転し疑惑は確信に変わり、徐々に取引から要求へとエスカレートし緊張感はピークへと達します。

フランス語圏だが冒頭からあえて英語で話していたところからランダ大佐はすべてを見抜いていたのでしょう。恐るべき嗅覚と知能をこのシークエンスで表現しています。
この緊迫したランダ大佐の場面に始まりラストもまたランダ大佐で閉めることになります。

それにしてもクリストフ・ヴァルツの演技もすごいですがフランス農夫のラパディット家の家長を演じる役者の方もかなりいい演技しているので是非ご注目を!

このシーン以外にも酒場でのインディアンポーカーのシーン、パリでのランダ大佐とエマニエル・ミュミューことショシャナの会食シーンなど緊張感溢れる会話劇と長回しが今作の見どころです。

個性豊かなキャラクターが盛りだくさん!

タランティーノ作品なんで当たり前なんですがメンツが濃いです笑

地獄のバスターズ率いる隊長のナチス絶対殺すマンのブラッドピッド演じるアルド・レイン中尉
先祖はアパッチ族で殺したドイツ兵の頭の皮を剥いで持ってこいとの命令を部下に下します。一応悪者のナチスに対する正義側の人物になりそうなポジションですが、そこはタランティーノ映画、ただのプロパガンダ映画ではないのでそうもいきません。

イーライ・ロス演じるドノヴィッツ軍曹、ユダヤの熊としてドイツ兵に恐れられるバスターズの一員。木製バッドでドイツ兵の頭を叩き潰しています。
ドイツ人でありながら上官を殺して収容されていたところにスティーグリッツ
ドイツ側では酒場でのシーンが印象的なヘルシュトローム少佐。まるでランダ大佐のようにバスターズのメンツを追い詰めてましたね。

ドイツの英雄フレデリック一等兵。おそらく戦争さえなければいい奴だったかもしれませんが国の英雄に祭り上げられ歪んでしまった青年として上手に描かれています。

そしてなんといっても今作の主役といっても過言ではないクリストフ・ヴァルツ演じるハンス・ランダ大佐

この映画はランダ大佐が一番の見どころと言えます笑

オーストリア出身の俳優でこの映画で抜擢され一気に世界的に有名になったクリストフ・ヴァルツですが今作では一躍有名になるだけのことがあります。

ヴァルツ本人は英語、ドイツ語、フランス語が堪能。さらに劇中ではイタリア語まで話せることが判明しています笑
劇中でもその言語能力の高さを生かし言語の違いによる演出が光ります。
ヒトラー暗殺計画が行われるプレミア上映会でのランダとアルドのやり取りなどは語学が堪能なヴァルツならではでしょう。

ユダヤハンターの異名の通りユダヤ人を心底嫌っており残酷なまでにユダヤ人を追い込んでいきます。しかしステレオタイプなドイツ軍人ではなく終盤ではアメリカに嬉々として寝返ろうとするサイコパスな一面も見せており奥深く魅力的なキャラクターとして本作を彩っています。

この映画での怪演により有名となりのちにタランティーノ映画には欠かせない俳優となります。

同じくクリストフ・ヴァルツが出演しているタランティーノ映画、ジャンゴの記事はこちら↓

好き嫌いが分かれる政治的な要素

今作からは人種的、政治的なテーマが盛り込まれるようになります。
次回作のジャンゴ 繋がれざる者ヘイトフルエイトなどでは差別や奴隷制度、戦争などのよりポリティカルな内容が盛り込まれ始めます。

今作は戦争物なのでそうなるのは自然ですが日本人にはあまり身近ではない話題であり好き嫌いが分かれる要因だったりもします。

作中でもストレートに映画が(映画フィルムが)ナチスを焼き尽くしフィクションの世界でユダヤ人が勝利します。
実際の歴史ではなかったヒトラーの死を映画で描きユダヤ人の復讐を果たす一方、劇中ではナチスドイツのプロパガンダ映画に出演する青年将校の苦悩を描くというなんとも皮肉めいた構成になっております。

元々タランティーノ作品ではがちがちのテーマ性などがあまりなく映画好きが楽しめる映画好きによる映画といった感じでしたが今作ではなんとなく政治的な思想を感じてしまいます。
海外では痛快、映画によるユダヤ人の復讐など割と好意的な印象だそうです。

作品解説

タイトルの誤字

今作のタイトルは「Inglourious Basterds」です。
しかしこれ実はスペルが間違っています。

正しくは「Inglorious Bastards」です。
本作の「Inglourious Basterds」では赤字の部分が間違っています。

監督本人は取材で突っ込まれてもミスとは認めず、また意図も説明していないようです笑
元々監督自身、台本などを書く際はスペルミスが多いみたいでほんとにスペルミスしちゃったけどカッコいいからまぁいいっか!ってなったのかもしれませんね笑
この辺の考察の余地などもタランティーノ監督からの視聴者へのプレゼントなのかも。

レッドアップル

タランティーノ映画ではおなじみのレッドアップル

これはタラちゃん作品の中で度々登場している架空のタバコ銘柄です。
パルプフィクションから最新作のワンスアポンアタイムインハリウッドでも登場しているタランティーノ作品の数あるカメオブランドの一つです。

今作でも出てるのかなーと思っていたのですが調べても映像中に写っていることはなくどうやら今作では登場していないようです。

しかし実際には小道具として作られており劇中には登場しなかったが用意はされていたそうです!
映画グッズを取り扱うネットショップで出品されているのを見て発見しました!
高いし売り切れだけどいつかは欲しい…

マックス・ケイディ より引用

酒場での銃撃戦のシーン

作中での緊迫したヘルシュトローム少佐との腹の探り合いからの銃撃戦のシーン。
タランティーノ監督らしく血が飛びまくりのバイオレンスなシーンですが普通に見ただけではなにが起こっているか分かりません笑

ニコ動で詳しくスローで解説している動画があったので紹介します。
これを見るとスティーグリッツがかなりの強者と分かります笑

地味にハマーシュマルクが流れ弾で負傷しているのがしっかりと弾痕が見えている所がすごいですね。

あうあう

戦争映画の新しい形。フィクションが史実に挑戦する意欲作 90点
タランティーノらしさを残しつつ悲痛な歴史に対する映画の挑戦を見せてタランティーノ監督の新たな一面が見れた作品でした。
また名優 クリストフ・ヴァルツが世に出るきっかけになった歴史的な一作です!

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あうあう
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