作品解説
監督 三池崇史
脚本 江良至
公開 2001年3月10日
上映時間 84分
あらすじ
「殺し屋イチ」「極道恐怖大劇場牛頭」「オーディション」「DEAD OR ALIVE 犯罪者」の三池崇史監督が崩壊した家族の再生をタブーを無視した壮絶なエログロ描写と突き抜けた笑いで描いた衝撃のナンセンス・ホーム・ドラマ。主演は遠藤憲一と内田春菊。
ニュースキャスターを降板させられた山崎清。彼の家庭は今や崩壊状a態。娘は家出、息子は家庭内暴力、妻の身体は息子の暴力とクスリでボロボロ。そして自分は再起を期して援助交際の実態をドキュメンタリーに撮るつもりが、思わぬ展開に…。その帰り道、山崎は背後から頭を殴られ記憶をなくす。そして一人の若者を連れて帰ると家族に対して彼を友人と紹介、自分の家に住まわせる。翌日、山崎は出勤途中で息子がいじめられている現場に遭遇。それをテーマに迫真のドキュメンタリーを撮ることを思いつくが…。
キャスト
- 山崎清 遠藤憲一
- 山崎恵子 内田春菊
- 山崎美貴 不二子
- 山崎卓弥 武藤洵
- 謎の男 渡辺一志
- 村田麻子 中原翔子
感想 解説 見どころ
今作は殺し屋イチや極道恐怖大劇場牛頭よりももっとカルトな三池崇史監督の作品を紹介しようと思います!
殺し屋1と牛頭の記事はこちら!
今回紹介させていただく映画、ビジターQはシネマ下北沢で上映されるビデオ撮影の連作ラブストーリー「ラブシネマ」6部作の最後を締めくくる作品として制作されました。
低予算の映画の為、機材もデジタルカメラを使っており、モキュメンタリー風な作品になっています。
当然オリジナルの映画を作らせたら、とんでもない尖った作品を作る三池崇史監督なので「ラブストーリー・愛」をテーマにぶっ飛んだ作品を作ってしまいました笑。
三池作品の中でも特にカルト度が高いです!
ちなみにレーティングはもちろんR18笑。
監督自身、自分が死んだら追悼番組で今作を流して欲しいと言っているほどなので思い入れがあるのでしょう笑(追悼番組でも地上波は難しいと思うけど…)
今作の主演は三池崇史監督作品の常連、遠藤憲一さんです!
今ではだいぶ有名で知名度も高く、バラエティにも出演するような俳優さんですが昔はかなり身体を張った演技をしていたんだなぁとこの映画を見ればわかります笑。
モザイク付きの濡れ場が多いし笑。
ただし濡れ場以外にも面白いシーンがいっぱいあるので早速レビューしていきましょう!
家庭崩壊、バラバラになった家族の元に謎の男が…
ざっくりと言えば今作は家庭崩壊を起こした山崎家を舞台に、謎の男が現れ、絆を取り戻していくといった内容です。ほんとにざっくりですが。
まずそれぞれの境遇が重い!
父親はニュースレポーターだが街の不良をテーマにした番組の取材中に不良達に襲われ、生放送中にケツの穴にマイクを入れられている所を晒された為現在はほぼ無職に。
息子は学校でいじめにあっており、その鬱憤を家庭内暴力という形で発散。
母親はそんな息子からの家庭内暴力によって精神を病み、覚せい剤に手を染める。
娘はそんな家庭に嫌気がさして家出、援助交際によって金を稼ぐ生活。
絵に描いたどころではないほどの家庭崩壊っぷり笑。
そんな山崎家に謎の男、Qが現れる事により事態は予想もつかない展開へと進んでいきます。
まずは石。とにかく石。
父、清は援助交際の実態を探る為取材を行っていましたが、なんとその取材相手は実の娘、美貴でした。
しかも取材の名の元に実の娘とヤっちゃいます笑。
すぐイってしまい実の娘に早漏と罵られます笑。
その翌日、駅の待合室で謎の男Qは清を見つけると思むろに石で頭部を殴打。
特になんの理由付けもなくこのシーン笑。
頭部を殴打された清は一時的に記憶が飛んでしまい、Qを倒れていた所を介抱してくれた人として家に招き入れます。
そしてなぜか家庭に馴染むQ。
ご飯ももりもり食べておかわりまでするほどに笑。
壮絶ないじめと家庭内暴力。母は薬中。
息子、卓弥は学校では苛烈ないじめにあっており、その鬱憤を家庭内暴力として母に向けています。
それに対して清は特に興味を示しません。
ちなみにQも。「気にしないで続けて」と卓弥に言うほど。
この時点ですでにだいぶおかしい…
家ではそんな卓弥ですが、学校ではかなりのいじめられっ子。
自宅に花火を撃ち込まれたり、ガラスを割られたりと学校以外の場所でも嫌がらせを受けています。
その怒りを母に向け、布団叩きで母親を滅多打ちに。
母の背中には布団叩きの痕が痛々しく残ります。
その為、母親はストレスに耐えきれず覚せい剤に手を出してしまった模様。
そして薬を手に入れる為、娘と同様に身体を売っています。
謎の男Q 次第に変わりゆく家庭。
そんな中Qはほとんど自身の意見も言わないでただ家族を見守ります。
父、清が再起をかけて以前の同僚であるニュースキャスター、村田麻子に実の息子がいじめにあっている所を取材するという企画を持ち込むのですが、そこにもQはカメラマンとして同行。しかし、何があろうとも特にリアクションはありません。
麻子はこんな企画使えるわけないと途中で帰ろうとするのですが、何故か清が激昂。
突然押し倒し河川敷で犯そうとしますがうっかり殺してしまいます!
今度はその遺体をバラバラにしてごみ袋に入れて捨てるまでをドキュメンタリーとして撮り始めます笑。
Qに頭を殴られたせいなのか、清はどんどん狂っていきます。
母性覚醒。
そんな中、母、恵子は薬を買う為に身体を売ります。
覚せい剤でキまっている最中にQが現れ誘ってきます…
「少しここで休んでいきなよ」の言葉に恵子は身を任せます。
胸をまさぐるQ、なぜか恵子はQに触られることにより突如母乳が出るように!笑
その日から山崎家は大きく動き出します…
段々と一つにまとまっていく家族。しかしどんどん常軌を逸していく事に…
一方、清は麻子の死体を家に運び込み、バラバラにするための作業をビデオカメラで撮り始めます。
ノリノリで切り刻む所を赤いペンで線をひいていく所が笑えます。
しかし、全裸で死んでいる麻子を見て清がなぜか欲情笑。
清によると「息子がいじめられる所を取材して、怒りでもなく、悲しみでもなく股間が感じてしまいました!」との事笑。
そのまま麻子の死体と事を成そうとします笑。
しかも実況中継風に笑。
「皆さん!死んでいるのに濡れてきました!生命の神秘です!」しかし濡れているのではなく、「濡れてると思ったけどウンコじゃねーか!くせーな!何喰ってんだ!」と逆切れ笑。
さらに死後硬直によってアレが抜けなくなるアクシデント…!
慌てて妻に助けを求めます!
普通なら考えられない所ですが母恵子はノリノリでスーパーに行き、大量の酢を買ってきます。
そして清と麻子の死体は繋がったまま湯舟に入れられ酢漬けに笑。
恵子曰く「お酢を飲むと身体が柔らかくなるというじゃない!」と謎の理論笑。
なんとかあれが抜けてほっこりする家族。
ここでさらっとQが意味深なセリフを。
清は結婚して以来、恵子がこんなに頼りになるなんて思わなかったと漏らした所、「あんたが見えてなかっただけだよ」と珍しくボソッとですが意見を述べます。
作中ではほとんど自身の意思を表すことのないQなので、ここは本作で地味に最重要なシーンかと思われます。
息子の変化。母性の覚醒とともに。
息子の卓弥は母がQに抱かれている所を目撃し、なんとも言えない感情を抱きます。
そして恵子が大量に母乳を噴き出したキッチンにて母乳の海に身体を任せながらQにこう言います。
「最初はこの家を壊すために来たと思ってたけど…ありがとう。」
微笑むQ。
母乳に浸る事により母を愛する心が蘇る卓弥。
また一つQによって家族がまとまってきました。
場面は先ほどに戻り、死体を処理しようとしている清と恵子。
そこに卓弥をいじめる同級生が家に来て、また花火を投げつけてきます。
なぜかいきいきとして清が飛び出し、いじめっ子をのこぎりで脳天かち割り笑。
恵子は包丁を投げもう一人のいじめっ子を殺します!
これで息子のいじめもなくなりハッピーエンド?に近づいていきます。
娘、美貴の場合 石の再来。
一方、最初の援交シーンから出番がなかった美貴ですが、街で身体を売る相手を探している所、Qと出会います。
そしてQに援交を持ちかけますが、父同様に石で頭部を殴打され気絶。
父親同様記憶が飛び、自宅へ帰還。
そこではなぜか清が恵子の乳房に吸い付き母乳を直飲みしている。
そして最後は美貴も微笑みながら母乳を飲むところで映画は終わる…
エンディングテーマ、「水のあぶく」が流れエンドロールへ。
なんだこれ!笑
Qとはいったい何者だったのか?
今作で一番謎なのはQという謎の存在。
ある日突然山崎家に入り込んできたQは何者なのか?
かなり謎深いです。
個人的な考察では、人間ではなく愛の化身的な存在ではないかと思ってます。
不思議な石で頭を叩いたり、抱くことによって家族をかえりみるようになったり母性を目覚めさせたりする超常的存在。
また家族同士でヤってしまった二人に対しては石で殴る事で、記憶を飛ばし元の家族へと戻る手助けをしたんだと思います。
言わば家族関係をリセットし、新たに幸せな家族を取り戻させてくれる天使みたいな存在。
人を殺してしまった事はひとまず置いといて、山崎家を救ってくれたのはQなので。
ラストシーンも母なる恵子の母乳に触れる事により母性的な愛を家族で共有する意味があったのだと思います。
三池崇史監督の描く愛とは母性への回帰なのではないでしょうか?
母性の象徴である母乳で家族が一つにまとまるハッピーエンドでしょう。
とまぁQの考察だったのですが、三池監督作品なので特になにも考えず撮りたい絵を撮っただけかもしれません笑。
三池崇史監督が描く究極の家族愛!
あれこれ考えずにその映像自体を楽しむ作品かもしれません。
これほどの怪作はなかなかでないのではないでしょうか?
見る機会があれば是非見ていただきたい! 73点
なんだかどんどんカルト映画ばっかりレビューするブログになってきたので、次くらいには新しい話題作などメジャーなものをレビューしたいなーと思ってます。
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